Apple、全社員にAI活用を指示 - ティム・クックが語る危機感とAI戦略

Appleのティム・クックCEOが異例の全社会議を開き、全社員にAI活用を強く求めました。「AIを活用しなければ取り残される」という危機感の背景と、Apple流のAI戦略について詳しく解説します。

Fujin
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Apple、全社員にAI活用を指示 - ティム・クックCEOの戦略

どうも、Fujinです。

このラジオでは、ゲーム業界や生成AIの最新トレンドなど、テクノロジーをテーマに日々感じたことをお届けしています。

さて、昨日Voicyのユーザー体験がちょっと悪化しているんじゃないか、という話をしました。たくさんのコメントをいただき、ありがとうございます。やっぱり、同じように感じている方が結構いらっしゃるんだなと再認識しましたね。正直、今の方向性はユーザーとしてはあまり嬉しくない方向に向かっていると感じるので、今後改善されることを期待したいです。音声広告の市場が拡大していくのは確実で、Spotifyもアメリカでは既に導入していますから、問題は広告そのものよりも「入れ方」なんですよね。ユーザー体験を損なわない、スマートな広告の実装が今後の鍵になってくるでしょう。

はい、ということで本題に入っていきましょう。今回は、Bloombergの記事で報じられた「Apple、全社員にAIの掌握を迫る」というニュースについてです。ティム・クックCEOが異例の全社会議を開いたとのことで、今回はこの話題を深掘りしていきたいと思います。

結論から言うと、Appleのトップであるティム・クック氏自らが、全社員に対して「AIをしっかり使っていこう」と檄を飛ばした、ということです。それも、「そうしないと時代に置いていかれる。それは許されない」と、かなり強い言葉で語ったそうなんです。Appleもこれまで色々とAI関連の取り組みはしてきましたが、ここにきて一気に本腰を入れてきた、という感じがしますよね。そこで今回は、このニュースを元に、AppleがAIに対してどのような現状認識を持っているのか、そして今後のAI戦略について見ていきたいと思います。

Apple、全社員にAIの積極活用を指示

今回報じられたのは、Appleのティム・クックCEOが今月1日に、本社で異例の全社会議を開いたという内容です。その場で、AI分野の将来性と、今後のApple製品への組み込みについて、全社員に説明を行ったとのこと。

事情に詳しい関係者によれば、ティム・クック氏は「AI革命は、インターネット、スマートフォン、クラウドコンピューティング、アプリの登場に匹敵、あるいはそれ以上の規模になる」と説明したそうです。これはもう、Appleとして絶対に乗り遅れるわけにはいかない、絶対に掌握すべきものだと。そのための投資は惜しまないという考えも示したようです。

この発言からは、Apple経営陣の強烈な危機感が伝わってきますよね。これまでもSiriなど、AIアシスタント機能は提供してきましたが、ここ最近の生成AIの爆発的な進化のスピードを見て、社内全体の意識を根本から変革する必要があると感じたのでしょう。

AI分野で出遅れるApple?

正直なところ、現状のAI分野において、Appleは少し出遅れている感がありますよね。AppleのAIといえば「Apple Intelligence」ですが、僕が今使っているこのiPhone 16 Proでも、その機能をフルに実感できているかというと、正直なところ微妙です。あれだけ大々的に「Apple Intelligence!Apple Intelligence!」と発表していたにも関わらず、実際に使ってみると、そこまでAIデバイスという感じがしないのが現実なんです。

MicrosoftやGoogleが次々とAI製品を投入した何ヶ月も後になっての発表でしたし、市場の反応も少し鈍いものでした。その間にも、OpenAI、Google、Anthropicといった企業は、次々と驚異的な性能を持つ新しいAIモデルを発表しています。今日あたり、GPT-5が来るんじゃないかと噂されていましたが、結局来ませんでしたね。まあ、今月中には何かしらの動きがあるとは思いますが。

このように、競合他社が凄まじいスピードで開発を進める中で、AppleはAI分野でそこまで大きな存在感を示せていない、というのが客観的な事実ではないでしょうか。

Apple流のAI戦略とは

では、AppleはAIに対してどのような戦略を考えているのでしょうか。ティム・クック氏は、これまでのAppleの歴史を引き合いに出して説明しています。

  • Macの前にはPCがあった。
  • iPhoneの前にはスマートフォンがあった。
  • iPadの前にはタブレットがあった。
  • iPodの前にはMP3プレイヤーがあった。

つまり、Appleは常に、既存の製品カテゴリーの「現代的バージョン」を発明し、市場を再定義してきた、と。AIに対するアプローチもこれと同じで、今世の中にある様々なAI技術を、Apple流の洗練された「現代的バージョン」として昇華させ、世に送り出していくんだ、という考え方です。

これは言われてみれば、確かにAppleらしい戦略だなと感じます。ただ、今のAppleに、かつてのような圧倒的なプロダクト開発力があるのか、という点は少し気になるところです。しかも、OpenAIは元Appleの伝説的なデザイナー、ジョニー・アイブ氏と組んで、新しいAIハードウェアの開発を進めると発表しています。自分たちの強みであったはずのハードウェア開発の領域でも、強力なライバルが出現しているわけです。Appleが危機感を抱くのも当然と言えるでしょう。

なぜ今、全社員がAIを使う必要があるのか?

今回の全社会議で特に印象的だったのは、ティム・クック氏が「社員がAIを製品や業務に迅速に取り入れる必要がある」と強調した点です。「AIを活用しなければ、我々は取り残される。それは許されない」とまで言っています。

しかも、これは特定の部署、例えばマネージャーやサービスサポートチームだけに限った話ではありません。全ての従業員が、それぞれの持ち場でAIツールの導入を加速させ、取り組みを促進すべきだと述べているんです。

なぜ、これほどまでに強く全社的なAI活用を訴えるのか。それは、もはやAIの進化スピードが、人間だけの能力では到底追いつけないレベルに達しているからです。AIに任せられる定型的な業務や情報収集、データ分析といった作業は、どんどんAIに任せていく。そして、人間は人間にしかできない、より創造的で、戦略的な思考が求められる業務にリソースを集中させていく。これができなければ、企業の生産性も競争力も、あっという間に低下してしまう。Appleほどの巨大企業であっても、その例外ではないということです。

この流れは、もちろんAppleだけの話ではありません。あらゆる業界、あらゆる企業、そして私たち個人の働き方にも直結する、非常に重要な変化の波なのです。

AIは「使えて当たり前」の時代へ

おそらく、ティム・クック氏が今月1日というタイミングでこのような全社会議を開いたということは、裏を返せば、まだ社内全体でAIの活用が十分に浸透していない、という現実の裏返しでもあるのでしょう。トップが自ら旗を振らないと、なかなか現場は変わらない。その危機感が、今回の異例の会議に繋がったのだと思います。

これから先、様々な企業でAIの導入が本格化していくと、本当に「AIを使えること」がビジネスパーソンとしての最低条件になる時代がやってきます。今回のAppleの件でも明らかなように、もはや「私の部署は関係ない」という言い訳は通用しません。どんな業種であっても、AIを使うことで効率化できたり、新しいアイデアが生まれたりする可能性が必ずあります。

1年前のAIと今のAIとでは、もはやレベルが全く違います。では、1年後はどうなっているか?想像するだけでワクワクしますし、少し怖くもありますよね。今、最先端と言われているChatGPT-4oのようなモデルも、1年後には無料で使えるのが当たり前になっているかもしれません。

そんな世界で重要になるのは、高性能なAIを「いかにうまく使いこなすか」というスキルです。AIは、あくまでツールでしかありません。それは、楽器に似ているかもしれません。世界最高峰のピアノが目の前にあっても、弾き方を知らなければ美しい音楽は生まれませんよね。AIも全く同じです。それを使いこなす人間がいて、初めて価値あるアウトプットが生まれるのです。

いいアウトプットを出すためには、練習が必要です。最初から完璧に楽器を弾ける人がいないのと同じで、AIも最初から完璧に使いこなせる人はいません。日々、少しずつ触れながら、「こういう聞き方をすると、こういう答えが返ってくるのか」「こういう使い方もできるのか」と試行錯誤を繰り返す中で、徐々に使いこなせるようになっていく。いかに早く、そのレベルに到達できるかが、これからの時代を生き抜く上で非常に重要になってくると、僕は考えています。

AIを使いこなすための第一歩

では、私たちは具体的に何をすればいいのか。

日本は今、AIの利用率がまだ3割程度だと言われています。つまり、残りの7割の人は、AIを使ったことがないんです。正直、これは本当にやばい状況だと思います。その7割の人、本当にどうするの?って感じです。

だからこそ、まずやるべきことは、とにかく「使ってみる」ことです。

最初は無料でも構いません。ChatGPTでも、Geminiでも、Copilotでも、まずはアカウントを作って、何か質問を投げかけてみてください。

しかし、本気でAIの力を体感し、自分のスキルとして身につけたいのであれば、どこかのタイミングで必ず「課金」してください。これは絶対に必要です。なぜなら、現時点で最強のAIモデルは、基本的に有料プランでしか使えないからです。無料版と有料版では、できることの幅も、アウトプットの質も、全く異なります。最強のモデルを使わないのは、本当にもったいない。

月々2,000円か3,000円程度の投資です。その数千円で、あなたの業務効率が劇的に向上し、新しいスキルが身につくのであれば、課金しない手はないはずです。どんどん課金して、最高のモデルを使い倒し、自分の業務を効率化していく。その経験こそが、これからの時代を生き抜くための最強の武器になります。

ということで、今回はAppleのニュースをきっかけに、AI活用の重要性についてお話ししてきました。Appleのこの動きは、AI時代が本格的に到来したことを示す、非常に象徴的な出来事だと思います。この大きな変化の波に乗り遅れないよう、私たちも今すぐ行動を起こすべきです。

じゃあね!

Fujin
コンテンツクリエイター
AI・Web3・メタバース分野のコンテンツクリエイター。YouTube、ブログ、ポッドキャスト等で最新テクノロジー情報をわかりやすく発信。専門的で高度な技術情報を初心者にも理解できるように伝えることを使命としています。
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